今回は、強迫神経症というものがどれほど苦しいものなのかというテーマでご説明いたします。
もちろんなりやすさは性格によって左右されますが、誰でもなる可能性のある病気です。
目次
私はこういう人です
30代サラリーマン。製造業勤務。10代から長らく強迫性障害に苦しみ、20代では対人関係でのストレスを原因とする抑うつ状態を経験。
今ではこれらを乗り越え、自分の夢や目標のために仕事や趣味に打ち込んでいます。以上のような体験を積んできている私だからこそ伝えられることを掲載しておりますので、是非ご参考になさってください。
様々な症状

行動として出る症状としては多岐に及び、程度も人それぞれです。
ただ、いくつかのパターンに分類することはできます。

確認行動を繰り返す
ドアを閉めたかどうか、鍵をかけたかどうか、火を消したか否か…というようなことを何度も何度も確認してしまうパターンです。
何度も洗い流す
自分の手や体をしつこく洗い続けたり、物を繰り返し水で洗う行動です。
何度も同じ物を洗ってはやめ、すぐにまたそれを繰り返したりもしますし、お風呂でシャワーを延々と浴びているというようなこともあります。
その他同一行動を何度も続ける
こちらは細かく種類分けするときりがないでしょう。他人から見れば、ある種の儀式にも見えるようなものです。
自分の中で作り上げたルール通りに行動しないと気が済まない状態です。
例えば同じ手順で物を置かないといけなかったり、正しいやり方で動かないとまたやり直して正しい動き方をするまでやめない…というような感じですね。
問題点は何か
本人もおかしいと自覚している事が多い

自覚しているにもかかわらず、なかなか止めることができないことに大きな苦しみがあります。
『いや、やめれば良くないか?』
そう思う人も多いことでしょう。ですが、そんな簡単な話ではないのです。
何故なら、〇〇しなければならないという強迫観念に支配されてしまっているからですね。
〇〇しなければ死ぬ、〇〇しなければ病気になる、〇〇しなければ爆発する等…
その恐怖心が圧倒的に勝ってしまうわけですね。だから自覚していても抗えないし、無理やりやめさせても根本的な解決にならないんです。
誰も見てないところでしていたら意味ないですよね。
日常生活や仕事に大きな支障
当然ながら、無駄な行動を繰り返すことに時間を費やすので普段の暮らしに支障をきたします。
周囲からは異様な姿して捉えられ、潔癖過ぎる様子については批判されることも多いでしょう。
仕事中にずっと仕事以外の謎行動をしていたらどうでしょうか。きっときつい指導や処分を受けることになるでしょうね。
休日ですら、常人に比べて意味のないことに時間を使ってしまい身体が休まらないことになります。
恐ろしい話ですね。
誰からも理解されない
上のような症状の数々については、発症したことのある人にしか分からない苦しみがあります。
決して、好き好んでやっているわけではないんです。
ある意味自分の中で矛盾を抱える形になるわけですね。
普通の人からすれば、やりたくもないことを何故やるの?という疑問を持つ話だと思います。
常人にとっては、そのあたりの理解が非常に難しいんです。
患者も理解されないことが分かっているから余計に悩むし、自分だけが何故こうなったのだろうと苦しむのです。
誰にも分かってもらえないということが、本人をより絶望に追いやることすらあります。
周囲がやってはいけないこと
説教して追い詰める
先程お話していることですが、強制的にやめさせるようなことはナンセンスです。
更に言うと、罵詈雑言を浴びせて怒ったところで治るものでもないのです。
逆に、患者本人を精神的に追い詰めることで自尊心を傷付けてしまい、更に症状を悪化させることすらあり得ます。
必要な考え方としては、理解しようとすることがまず第一にあると考えるべきでしょう。
勝手に治すプランを作り、押しつける
患者の症状の重さや程度、治療のペースというのも人によって違うものです。
例えば患者の異常行動を減らしていくプランを具体的に考えてあげるのも悪くないのですが、それを患者に一方的に押しつけてやらせるのも全く効果は無しです。
まわりの人から与えられた治療プランがプレッシャーとなったり強迫観念を増やすきっかけになったりもするので、NGです。
後日、「強迫神経症をいかに改善していけば良いのか?」というテーマで記事を用意したいと思います。
